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支部からのお知らせ

お知らせ 全て

中国による日本水産物の輸入全面停止に伴う影響調査について

 北海道中小企業団体中央会では中国による日本水産物の輸入全面停止に伴う影響調査を次のとおり実施しました。
 実施結果につきましては次のとおりとなります。
・目的
 8月に中国が日本水産物の輸入全面停止を発表したことから、水産物に関連する会員組合を対象に調査を実施し、組合事業及び組合員企業への影響について調査を行いました。
・調査期間 令和5年9月5日~9月11日
・調査対象  39組合
・回答数   23組合
・回収率   58.9%

回答区分 回答数(%)
ある 10(43.5%)
ない 9(39.1%)
わからない 4(17.4%)
合計 23(100%)

主な回答(抜粋及び組合名は掲載しておりません)

Q1:中国による日本水産物の輸入全面停止に伴う影響はありますか?

〇A組合
【組合事業への影響】
・これから水揚げされる秋サケを含め中国輸出向け水産物の販売が滞ることが懸念されるとともに、今後の価格の動向がどうなるか気掛かりな状況。
【組合員企業への影響】
・中国向けに輸出した水産物が、通関できず積戻しされている。
・7月の検査強化以降、輸出が停滞しているため、自社で冷凍保管しているホタテ(両貝)が輸出できず、飽和状態になっている。今後、冷凍冷蔵倉庫の収容能力の不足が懸念される。
・自社倉庫が満庫となり、移送コスト・入出庫料・保管料など余剰経費がかさんでいる。このままの状況が続くと道内の冷凍冷蔵倉庫が不足することが懸念される。
・ホタテの相場が下落している状況で、他の水産物への影響も懸念される。ホタテ玉冷が昨年1㎏当り3,500円だったものが1,000円程値下がりしている。
・アメリカやヨーロッパの業者からは、今までの価格では買えないといわれ値下がり状態にある。

〇B組合
【組合事業への影響】
・現状は大きな影響は出ていないが、輸入全面停止が長期化すると、組合員の中で、今後「外国人技能実習生や特定技能外国人の新規受入人数を減らしたい」とする所が出てくることが憂慮される。
【組合員企業への影響】
・組合員はホタテや秋鮭を主力としているところが多く、ホタテは中国や韓国、秋鮭は中国に輸出していることから、影響は非常に大きいと判断される。

〇C組合
【組合事業への影響】
・組合員の経営不振による組合運営の停滞。
【組合員企業への影響】
・組合員のうち1社は、売上 約150億のうち半数近くが中国への輸出。輸出品は、主にホタテ玉冷(冷凍貝柱)と冷凍殻付きホタテであり、ともにコンテナ等でトン単位で輸出しているため、膨大な在庫を抱えている状態である。

〇D組合
【組合事業への影響】
・今後、組合員工場の主力取扱品目であるホタテ加工において、出荷が滞る事態も想定されることから、製品保管庫(冷凍庫)の限界もあり、受入調整、処理量減少となり、ホタテ加工残渣減少にともなうホタテミール生産の減少が予想される。
【組合員企業への影響】
・組合員企業は保管場所の確保のために、貝付でなく、玉冷状態に加工したいところだが、例年、工場作業員が確保できず、中国へ貝付ホタテを輸出している状況であり、鮭とホタテのどちらかを優先して処理するかは、秋鮭の水揚げ状況によっての判断と思われる。

Q2:その他(意見)

〇E組合
・ホタテ養殖漁業の組合員は単価の大幅下落(漁業収入の減)。輸出をメインにしている食料品製造業者(水産加工業者)は、販売先を国内にシフトしなければならず、このことが売り上げの大幅減につながる恐れがある。
〇F組合
・政府による早期解決を図っていただきたい。
〇G組合
・北海道のホタテの安全性を強く主張し、中国に輸出できるよう政府に対応していただきたい。